クラクションは無表情で鳴らせ

20代の前半。2年ほど狭い築地市場内をターレットやフォークリフトに乗って荷物の回収などをしていた。 行きかうフォークリフトの大半はガス式で、セリも終わったころに清掃が入ってくれば更に長年蓄積したホコリが舞い上がる。すべての荷物が引き上げられる…

アメリカ人がクビになる瞬間を見てしまった

人が会社をクビになる瞬間を見たことがあるだろうか。俺は先日見てしまった。 出社した朝にいきなりクビを言い渡され午後にはいなくなるのはアメリカではよくあることと聞いてはいたが渡米3年目でついにそれを見てしまった。 最近アメリカも景気がよく俺の業…

「電車」と呼ばれた人々

移転する前の築地市場は目の前に朝日新聞、三井商船、そして電通から見下ろされる場所にあり、そこで働く彼らとは、彼らが高層ビルから下界にある物珍しい観光地へ降り、ランチなどしにくるときにだけ時々遭遇するだけであった。 一応同じ会社勤めではありな…

ゴルフを始めました

それまでゴルフのことは退屈なジジイのスポーツだという認識しかなく、日曜日の午後3時ごろに放送される退屈なスポーツ、ジャンボ尾崎の襟足、ジャンボ軍団新年会、お互いをプロと呼び合う奇習、プロゴルファー猿、高円寺の銭湯でDr.タイクーンというゴルフ…

出来立てほやほやが苦手な人もいるんじゃないかな

鮮度というものが幅を利かせているのが気に食わない。鮮度が良いことを皆崇めすぎである。鮮度がよい、出来立てを皆が欲しており、有難がっていると思ったら大間違いである。 人々が揚げ物のことを褒めるときに出てくる「外はサックリ、中はモッチモチ」とい…

盲腸になるのがとにかく怖かった

中学時代がピークだったと思うが、虫垂炎、いわゆる「盲腸」になることを異様に恐れていた時期があった。 いつ痛くなるか分からない不安、そして痛くなるや即手術という恐怖もその理由ではあったが、最大の理由は女性看護師に、大人の女性に自分のチンコを見…

アメリカのハエの動きは一味違う

アメリカのハエは日本のハエと明らかに動きが違う。種類が違うのかもしれないが調べるのも億劫なのでまだ調べていない。とにかく動きが違うのである。 まず、ハエにありがちな手で払っても同じところに繰り返し何度もせわしなく戻ってくるあの反復飛行がない…

千葉の農家で過ごした1週間

大学を出て築地の青果部門にある会社に入って間もない頃、千葉の東側、九十九里浜沿いにある旭市というところへ一人で派遣された。名目上は農業研修だが要は農家の作業を手伝う労働者である。市場と関係のあるJAに対し、こうして新人を派遣することで関係を…

川に落ちた自転車が川に受け入れられてやがて島になるまで

姓が近藤だからと「コンドーム」になぞらえ、最初はその人のことを近藤ムーと呼んだ。元々は男高校生が考えた何のひねりもなく、下ネタともいえない微妙なノリが生んだあだ名であった。 所属していたバスケット部は男女混合で一つのバスケット部であったが、…

クッキーは生地がピーク、焼くと魅力が半減する

クッキーが苦手であるが、最大の理由は口の中の水分を全て吸い取られて行くような感じがダメだからだと思う。前世はおそらくソフトコンタクトレンズだったので日々渇きを恐れており、元来食事の際には小まめに水分をとるほうなのだが、クッキーは1口に1回…

風邪は銃で撃たれたら治る

昨日から急に、何の落ち度もないのに風邪を引いてしまい納得がいかない一日を過ごしたがそれでも仕事はめちゃくちゃ多くていつもどおり12時間働いた後に車で自宅に帰るとき 「風邪をひいた人が銃で撃たれたら、体としては緊急事態で風邪とかに構っている場…

アメリカの田舎、孤独のグルメ

関根勉だったような気がするが、たまに行く街の定食屋でご飯を食べていたら、水を注ぎにきた店のおばちゃんに「美味しいですか?」と聞かれたので「美味しいです」と答えたところ、次にその店に来たら「あの関根勉も絶賛!」とという張り紙とともにそのとき…

アンキモ、大量生産

あの日、夫婦で吉祥寺の中華料理屋にいたときのことである。隣の席には若いカップル。既に食べ終わっている様子だが、右手にタバコ、ケータイを触りながらの雑談が続いている。 ケータイをいじりながら、隣の女がポツリと言った。 「アンキモを大量生産する…

アンソニーさん

俺のオフィスの入っているテナントが契約している清掃会社から派遣されてくる清掃員がまた変わっていた。4人目である。 新しく来た人に聞くと前の人は清掃会社自体を辞めてしまったのだそうだ。他の会社のことであるし代わりがきさえすれば我々は彼らが辞め…

スナックのママ

そもそも自分の親のことをママなどと呼ぶ家庭ではなかったものだからスナックの「ママ」という表現には強い抵抗感があり、あまつさえ大の大人が「ママ」などと発しているのを見るのはかなり辛いものがあるというもんであるが、しかし社会人になるとスナック…

メシを食うと5分でウンコになる俺たち

ちょっと今からウンコの話をするが、まあメシでも食いながら気軽に読んでほしい。 例えばウンコをしたい、ウンコを我慢できないというレベルが10のうちまだ半分の5ぐらいの時があったとして、その時に飯食ったらそれが突然、一気にレベル9ぐらい、野球でいう…

都内

「しかし××くん、都内はアレだねぇ↑」 あれは20代半ば、前職でのことである。午前中の、まださほど忙しくない時間に、今日も上ずった声の支店長が部下とのコミュニケーションのつもりかフラリと話し掛けてきた。 とはいえこの支店長、人と話をするのが苦手な…

スラムダンクの連載が始まったとき、男子はみんな流川楓になった

スラムダンクという漫画、説明するまでもなかろうが、あの連載が始まったのが多分俺が小学5年か6年生の頃で当時NBAは既に人気で観るスポーツとしては日本でも人気があったものの競技としてはまだまだ日本ではマイナースポーツだった時代にあの漫画は少なから…

仕事中に寝たいという気持ち

研修期間中、物作りから覚えるためにと工場のラインで3ヶ月近く働いていたときの話である。 先日、いつも通り死んだ目で立って材料の裏側をゴシゴシ磨く作業をしていたところ、現れた班長に「そろそろ顕微鏡を使ってみるか?」的な問いかけをされたときは、…

恐怖!めちゃくちゃ無愛想なドイツ人との商談

俺の仕事は技術サポート的なものである。かつて築地でフォークリフトに乗りセリまでしかけた文系の俺がアメリカで技術をしている理由は俺がめちゃくちゃ頑張り屋さんである他に理由はないのだが、その辺をよりたくさんの皆さんと分かち合い褒めてほしい気持…

高円寺の居酒屋「山おやじ」

今はもう無くなってしまったのだが、学生のころ住んでいた高円寺に「山おやじ」という居酒屋があった。 最初に入ったきっかけや通うようになった経緯など全く記憶にないのだが、気づいたら月に1回は何となく一人でフラっと入るような店になっていた。 山おや…

何者かにゆっくりと追いかけられる夢

今でも時々足元のぬかるんだ歩きにくい場所で、後方から迫る何者かにゆっくりと追いかけられる夢を見る。心身のいずれかが不調のときみる定番の夢である。なぜこの同じ夢を毎回見るのか、それにはどうも原体験となる子供の頃のエピソードがあるようなのであ…

人と話を合わせないと

こうみえて意外と対人関係では気をつかうタイプなので、特に一対一のときなどには人と話をうまく合わせなければ、沈黙にならぬよう話を繋げなければという思いが強く、結果相手の話の中から、その言葉尻などを拾って話を広げた結果いつの間にか自分の話をし…

俺が見えないのか すぐそばに居るのに

吹き抜けになっている自宅の2階からリビングにいる家族に「今日COSTCO行ってデカい肉買いに行こう、あと水もないし。あ、この際だからビールもまとめ買いすっか。」と呼びかけたが誰も返事をしなかった。 「おーーい、COSTCOいこうや。デカい肉と水とビール…

突然後輩になるオッサン現象

本日は「突然後輩になるオッサン」現象という概念についてお話したい。 最初にこの現象に気付いたのは学生のとき。アルバイトをしていたカラオケ屋の店長(47)が、突然我々に敬語を使い始める時間帯があることに気付いたのが発端である。それは妙な体育会系…

マサルセックス

中学の頃、近所の電柱に緑色のスプレーで「マサルセックス」と殴り書きされていた。 最初はよく読めなかった。雑な字であったし、スプレーとはいえ風雨にさらされたのかところどころ線は消えかけている。それでもセックスだけはハッキリと読み取ることができ…

人違いでした

オフィスビルの中にあった本社勤務の頃、朝の出勤時に会社のエレベーターに乗り込んだ折、すぐ後から乗り込んできた自分の会社の偉い人に挨拶したつもりが、それが全然違う別の会社のアカの他人で酷く恥ずかしい思いをした事がある。 勘違いするに至った理由…

アメリカ人はいつもエキサイトしている

アメリカ人の挨拶でよく使われるのが「I am so excited」という表現である。エキサイトとはいうがここでの意味はワクワクしてるとか、楽しみにしている程度でほぼお決まりのフレーズといってもよい。 例えば新しく職場に入ったスタッフが「皆さんと働けるの…

子供の頃のチーム分けが残酷な方法だった

のび太が絶対に向いていないはずの草野球をいつまでも続けているのも、絶対に遊び相手として合っていないはずのジャイアン、スネ夫と遊び続けるのも、結局はその遊びしかないし、遊び相手の選択肢が限られていたからだと思われる。俺の子供の頃よりもっと前…

ピザって10回言ってみ

我々大人同士ではだいぶ前にすっかり陳腐化したネタであっても子供相手には通用するものが多い。定番のなぞなぞ、手品、大昔に流行ったギャグの類がそれにあたる。 こいつらは人生の初心者だからと、周りの大人からは一切相手にされなくなったそれらのネタを…