思い出

マミーは今日も仲間を呼んだ

最もゲームがしたくてたまらなかった小中学生を通じてずっと親にテレビゲームの類を一切禁じられていた俺は、従って殆どのゲームに関する知識を友達の家にお邪魔して後ろから羨ましそうに眺めていたあの限られた時間の中で得ていたわけである。 ゲームをやら…

ムラン君の布団

上京して最初の一年半を生まれ故郷である佐賀県の人間しかいない在京県民寮のようなところで過ごした。この寮の話も色々あって機会をみて振り返り書いてみたいのだが、今日はそこにいたムラン君という男の話である。 「ムラン」は勿論ニックネームで、夜な夜…

メーカーの梅沢さん

前職の商社勤めの際に取引先の一つに「メーカーの梅沢さん」と呼ばれていた人がいた。初めて会ったときは26歳で年齢は俺より1歳下だったはずだ。梅沢という人が社内に居たので区別するために「メーカーの梅沢さん」と呼ばれ始め、社内の梅沢が辞めた後もま…

バスケットボールにおける「ダブルファウル」という都市伝説について

バスケットボールには「ダブルファウル」というルールがある。 これは攻守、敵同士の両者が寸分たがわず全くの同じタイミングでファウルした時に使われる極めて稀なルール。つまり両者が同時にファウルしたので喧嘩両成敗、というわけである。 しかし、かつ…

爆弾を作った男・トオル君(仮名)

俺の中学には爆弾を作った男が居た。事が事なので名前は仮にトオル君としておこう。 なんとなく「爆弾でもつくりそうな奴」として一般的に考えられているような外見の人間で、頭は良かったが友達がおらずいじめられている訳ではなかったが、誰も話し掛けよう…

骨折プレイボーイ・シンジ

中学のバスケ部にシンジという男が居た。 バスケットは素人であり、それを補う運動神経も不十分であったシンジ。 極度の近視であり、登校中、木に正面からぶつかったのを目撃したときは衝撃だった。 部活は休みがちで、1年の終わりにあっさり退部してしまっ…

お母さんの子供の頃、恐竜いたの?

子供の頃、俺が母親に「お母さんの子供の頃は恐竜いたのか」と真顔で聞いたという話がある。たかだか生まれて数年の子供に何億年前という概念が理解出来ようはずもなくギリギリ想像し得た昔が「母親の子供の頃」というわけである。全く同じではないにしろ子…

君は「ぎょう虫チョコレート」を知っているか

突然だが、皆さんはぎょう虫検査をご存知だろうか。 ぎょう虫とはケツに住みつく小さい虫らしいのだが俺もその姿を見たことはない。詳しくはインターネットで調べてもらいたいが、その有無を調べる検査方法というのが非常に独特で、魚群探知機もしくは戦闘機…

子供の頃、建設会社の「○○組」を全てヤクザだと勘違いしていた

小学生のときまで、建築会社、工務店によるある「○○組」というのは全てヤクザの会社だと思っていた。ヤクザが小銭を稼ぐためにやっている副業だと。 友達の家に遊びに行った際、リフォームだか増築だか分からないがとにかく家の周りに足場を設けて何か大掛か…

死んでいたミヤザキ君

小学生のとき、「俺、死産で生まれてきたらしいんだよ」って言っていた人がいた。死産とは、あの死産である。 今なら彼が死産を何と間違ったのかは大体予想が付くのだけど、そのとき俺も小学生。あの頃はそれが一体どういうことなのかよくわからなかったし、…

海を渡った瞳リョウ

大学生のとき1年間だけ寮生活していたのだが、そこへスリランカから日本へ短期留学でやってきた若者を2、3日受け入れたことがあった。全員男で年齢は20前後だっただろうか。何かの用事で来日した彼らに寮の空いた部屋を貸してあげるという、まあその程度の…

ままごとにおける「バブちゃん」という存在

子供の頃、家族ごっこともいうべきか、自然発生的に始まるいわゆる「ままごと」のような遊び、大体の人が経験したことはあるだろう。夫婦だけの場合、またはそこに子供が数人いる家族の場合など、設定はそのときの人数によって様々。集まって与えられた家族…

ボウズにしたら許されるのか

前働いていた会社にて、社用車をガードレールにぶつけて大破させた同僚が反省の意味を込めて翌週ボウズになって現れた。完全なる本人の過失ではなかった部分はあるもののその潔さに社内ではなにやら「アイツやるじゃないか」という妙なあっぱれムード。彼は…

兄に習ったTSUTAYAのレンタル方法

中学一年のころまで重要なことは何でも2つ上の兄から教えてもらっていた。子供の頃は特に人見知りが激しく、不器用でしかも無愛想だった俺のことを母親も心配したのかも知れず何かと兄についていくよう言われていた気がする。次男次女とはどこもこうなのか…

3日間寝てない人たちと会った時のこと

前職での話である。昼の1時にフラリと立ち寄ったのはとある町工場。社員数は50人に満たない、中小のオーナー会社だ。この日は事前に約束などしておらず、ちょっと近くに来ていたので顔みせという感じ。 こんにちは、と事務所に入ると事務の女性が1人居るだけ…

ボニファティウス8世の憤死

「ボニファティウス8世はアナーニ事件後、憤死した」 高校時代、大好きで最も得意だった世界史の授業において、唯一納得がいかなかったのがローマ教皇・ボニファティウス8世の死因である。教科書に載っていた彼の死因は忘れもしない「憤死」。このアナーニ事…

今も苦しむ7年前の古傷について

2010年のある日を境に、睡眠不足が続いたり、強いストレスを感じたりすると決まって右足の一部分が小さく腫れ上がるようになってしまった。その「ある日」と言うのは他でも無い、俺が人生初の野外フェスから帰って来たあの日である。友達に誘われ人生初の某…

メンバー全員がヤリチンのフットサルチームに所属していた時のことですが

学生の頃、バイト先に居た1コ上のライトなギャル男でヤリチンを絵に描いたような茶髪にロン毛の大学生に誘われ、その人の地元の友達らで作るフットサルチームに参加させてもらったことがある。チームと言うにはかなりルーズな集まりでメンバーは5~8人、それ…

セックスがこわい

性に目覚めた中学生のときだったのだけど、あまりにも毎日エロいことばかり考え過ぎていたせいで、夕食どきなど家族の集る一家だんらんの場で「いま何か声を発したら俺は自分の意志に反して『セックス』と言ってしまうのではないか」という強迫観念に苛まれ…

俺たちのワンサウザンドウォーズ

「ワンサウザンドウォーズ」という言葉をご存知だろうか。wikipediaの漫画「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」の中の、「黄金聖闘士(ゴールドセイント)」の項目にはこう書いてある。 『千日戦い続けても決着がつかないとされる、一種の膠着状態。黄金聖闘士…

酔っ払って商談室に現れる遊び人風の男、ジーコマ

前職で出会った強烈な客。商談の場に余裕で前日の酒を残して現れる、大変酒臭い小島さんという方の話をしよう。 年齢は40代と思われ、黒髪にロン毛で見た目こそ遊び人風だが顔はものすごく地味。大手自動車部品メーカーの生産技術部所属だがそれにそぐわぬテ…

バスケットボール・ダイアリーズ

やらなくなって長いが、元々バスケットボールをやってきた。8年ぐらいだろうか。 Bリーグが開幕し、ようやくこれからというところだが、やはりバスケットボールというスポーツは率直にいって日本では今なおマイナーなスポーツである。 わが国の場合、メジャ…

たった一人で避難訓練をやったときの話です

前の会社にいたとき僅か一年程度だったが、新しく作られた出張所を一人で任されたことがあった。今日お話するのは新規開拓の使命を受け、小さな雑居ビルの中で一人孤独な新規開拓に勤しんでいた20代半ばのころの話だ。 いつものように誰もいない事務所に一人…

トトロが立つ

長い会議、既に気が緩みぼんやりと参加しているだけの俺の頭にふと、「トトロが立つ」というフレーズが浮かぶ。 「トトロが立つ...?」 だけどこれがまた、何かどこかで聞いたことがあるようだけども全くその意味が分からず。トトロが立つ、トトロが立った、…

先輩から引き継いだ名刺の裏に書かれていた「ハゲ」というメモ

前職、商社務めだった頃の話だ。 よくある話だが、同じ部署の先輩が担当する取引先にいわゆるヘッドハンティングされる形で急遽会社を去ることになった。急な退職だったこともあり十分な引き継ぎもしないまま、先輩は半ば逃げるように去っていったのである。…

僕らが中指を立て始めた時期

中指を立てる、いわゆる「Fuck You」のジェスチャーとその概念を知ったのは小学3、4年生の頃、今から26~7年前のことであった。その時をはっきり覚えているのは印象的なエピソードがあるからである。 その当時いつも一緒に遊んでいた4人グループのうちの一人…

受験勉強と深夜のポロリ洋画

親の教育方針が「早く寝ろ」だったので中学3年生まで特別何も無ければ夜は9時半時には寝ていた。今思うと信じられないのだが、小学生の頃はもっと早くて多分8時半だった気がする。 親が「早く寝ろ」と言うから、9時半頃になると兄と共用の部屋へ行き、布で仕…

近所の公園にあった苔の生えた石

まだ小さかったころ、近所の公園での事である。 すぐ近くの小さな公園で近所の子と二人で遊んでいたときのこと、知らないおじいさんがフラフラと自転車で公園に乗り付けると、ジッと公園の中を見つめたのち中に入って来てあちこちを観察している。 近所の子…

バスケットボールにおける「オフェンスチャージング」という奇習について

中高と部活はバスケットボール部であった俺だが、Bリーグが開幕しBSなどで観る機会もあることから久しぶりに観るスポーツとしてのバスケットボールに向き合う日々である。現役の頃からルールも変わり随分と様変わりし若干戸惑う部分もあれど時々観る分には良…

缶コーヒーをおごってもらった話

昔の会社の話だが、上司から小銭入れを渡され「これで缶コーヒー買ってきてくれ。」と言われた俺は、買いにいこうとした背中で「もちろん、お前の分もな。」と言う上司の声を聞いて「はい」と返事をしながらダッシュで自動販売機に向かった。 しかし自販機の…