杉並区立科学館が今年の3月にひっそりと閉館している。
ほんのわずかな期間だが、俺はこの近くに住んでいた事がある。東京で住んだ最後の街だ。
この建物、中に入ったのは1回だけ。1969年に開館しているようだが、その当時の「未来っぽさ」が込められた可愛らしいデザインの一端をカメラに収めていたのを思い出した。
今どうなっているのか知るよしもないが、せっかく撮った写真なので公開しつつ振り返ってみたい。
閑静というにふさわしい、杉並区の住宅地に突然現れる杉並区立科学館。
中に入ると割と広く開放的なつくり。
土日でもあまり人は来ないようでとても静かだった。
しかし随所に見られる「昔の未来ぽさ」がなかなか楽しく、写真に撮りたくなるフォトジェニックな建物であった。
この丸いやつが結構ぶら下がっており、魅力的。
天井はこういうやつがズラリと並ぶ。昔見た未来だ。
いちいち可愛いつくりなのもありがたい。
SFX映画のセットの様なデザインは愛でてやりたい。
色合いも素晴らしく、
科学特捜隊の基地っぽさが良い。
トイレのドアには
土星のデザイン。
節電していた。
昔の備品が今も残り続けていて目の保養になる。
受付に人はなく、
「メンタルコミットメントロボットシステム」なる物騒なシステムに操られた二体のアザラシが出迎える。
二階には展示スペースがある。
狭いので三枚におろされたホニュウ類。僕たちのことである。
なぜか展示される「スズメバチの巣」
鷹の一種。名前を書いてあげないと成仏しないのでは。
「欠測中」という言葉をここで初めて知った。
計器はすべて欠側中。
やけにキラキラしたきれいな物も多く
よくわかんねーキャラもいて
ノーベル賞をとった小柴先生を紹介する展示スペースもあった。
外に出てみよう。
そこではメダカを育てていて
ザリガニも大切にされていた。
かつてはフル稼働していたであろうプラネタリウムも晩年は月に数回の稼動だった模様。
この日もやはりプラネタリウムはお休みで、
最後に住んだ街にあんな素敵な建物があったんだなあと写真を眺めながら東京の生活をまた思い出した夜であった。