メンバー全員がヤリチンのフットサルチームに所属していた時のことですが

学生の頃、バイト先に居た1コ上のライトなギャル男でヤリチンを絵に描いたような茶髪にロン毛の大学生に誘われ、その人の地元の友達らで作るフットサルチームに参加させてもらったことがある。
チームと言うにはかなりルーズな集まりでメンバーは5~8人、それも毎回知らない人が来たりして今思うとただの「集まってサッカーやろうぜ~」ぐらいのノリだったように思う。
それにしてもさすがはヤリチン、集まると全員いいにおいがして、俺以外全員見事なまでに茶髪かロン毛もしくはその両方な上、ほぼ全員、程度は違えど日焼け済みだったりするので、そうした中で一人黒髪短髪、普通の肌の色をした普通のナリの俺がプレイしていると異国のチームに挑戦しにやって来た日本人感があって妙に奮い立つ気持ちになったものである。

練習場所は今では某大学が建つJR中野駅前の公園。
サッカーの出来る場所など少ない東京なので広い公園には皆殺到するのが常であるが、我々の「ホームコート」でもやはり、色んな集団が窮屈そうに譲り合いながらサッカーをしていた。
個々の集団が別々に、同時にサッカーを始めるとカオスなことこの上なく、結局しばらくすると「試合しませんか」など互いに歩み寄ってちょっとしたミニ大会の様な形で一つの公園を共同利用し始めるのである。

我がチームはヤリチンばかりだがサッカーの実力はなかなかのものでその公園によく集まる連中の中では強い部類に入り、練習後の飲み会などでは度々勝利者だけが味わえる美味い酒を飲んだ記憶があるが、その様な飲み会の席で飛び交う、ヤリチンによるヤリ・トークのその内容には、恋愛経験がシャケの雄並みの純度の高い田舎モンとしては度々驚嘆したものである。
電車の中でナンパした女にケジラミをうつされたというMFのヤリチンはさすがのパスワークで家族全員にケジラミをうつした話を笑顔で語り、FWのヤリチンは僕と同い年なのに20代の女に飽きたらしく、今は30代がアツいという話をたくさんヤった人特有のとても落ち着いた語り口でしてくれて「年代にアツいとかあるんだ」と思った次第。
彼らの高校では全校生徒皆SEXはおろか、3P、4P当たり前という様なスケールの大きなSEXの話を聞かされ、かたやたった一度SEXをしただけでセックス教の教祖のように崇められ、そのお方の性体験談を聞こうと参集してはメモを片手に半勃起で傾聴するクソ童貞が9割以上を占めていた俺の母校を思うと同じ時代を生きていたにも関わらず隔世の感を禁じえず、そんな高校出身のこの俺が、卒業後わずかばかりの時を経て今ここで一緒にサッカーをプレイしている事にはある種の奇跡めいたものを感じたものである。

そんな中で、高校生時点で体験人数が100人を超えていたという対人では高い攻撃能力を持つくせにポジションはまさかのDFという守りのヤリチンから、ある時ふと「君、素質あるよ。」と言われたことがあり、俺は「サ、サッカーすか?」「それとも、、セ、SEX!?」などとは聞けず、コクリと黙って頷いただけだったのだがあれは一体どっちのことを言ったのだろうか。
今でも気になっている。