発車前の駆け込み乗車はやめよう

東京の電車は「降りる人が先、乗るのはそれから」が割りと徹底されており、一通り居りきるまで我々は入り口のドア付近で並んで待っているのが常である。
「ああ、もう降り切ったな」と思って乗ろうとすると奥からゴソゴソ降りてきて、乗ろうとする我々を押し返す人がいる。
失礼は承知だが、俺は密かに彼らを「残尿」と呼んでいる。

ここから少し汚い話をさせてもらうが、今度はその逆の話である。
ウンコをひとしきり出し終わり、さて、とケツを拭いているときに軽く刺激でもされたのか「俺も俺も」と後から出てこようとするウンコが皆さんの周りにはいないだろうか。本当に迷惑ですよね。
そんな時に俺は心の中で業務的な調子をキープしつつも隠し切れない苛立ちを半ば警告の意味をこめてあえてそうするかのように発するあのアナウンス、

《発車前の駆け込み乗車は危険ですからおやめください...》

あの駅員のアナウンスが頭の中に浮かんできてしまう。
失礼は承知だが、俺は密かにあのウンコを「駆け込み客」と呼んでいる。

この両者が入れ替わった世界のことを考えるととても楽しい。