「悪い人じゃないんだけど」の前置き

「悪い人じゃないんだけど」と前置きすれば悪口は幾らでも言っていいと思っている輩がいる。

「悪い人じゃないんだけど」を連呼しながらその人のエピソード、性格、癖、外見から家族に至るすべてを「悪い人ではない」と言いながらも全否定、ワタシ体力ないから絶対無理とか言いながら走り始めて悪口のフルマラソン42.195km無事完走するような、そんな輩があちこちにいるのである。

もはや言うまでもないが「悪い人じゃない」という前置きはもはや人の悪口を言いまくる上で自分が「性格の悪い人と思われたく無い!」っていう為にいう保険、牽制球に過ぎず、フルマラソンを完走すべく給水ポイントで水を手に取るがごとく、時にはまるで水泳の息継ぎのようにコンスタントに放たれる。彼らが走り続けるため、泳ぎ続けるために。全否定というゴールを目指して...。

しかしであるが、シツコイくらいに「悪い人じゃないんだよ、○○なところとか、俺は実際評価しているし、でも」など、いわゆる悪口界のYes, But法などを駆使し、さながら来るべきサビの前のAメロ、Bメロのようなおあつらえ向きのメロディラインはどうだろうか。結局どの曲もソレになるんかい!といいたくなるEDMのサビみたいに、結局悪口言うなら最初から正々堂々といわんかいと思う人が大半なのではないだろうか。

「アイツは俺にとって都合の悪い、大変嫌いなヤツだから俺は性格的な特徴の中に時々味付けとして身体的特徴を織り交ぜた各種悪口を言ってスッキリしたいし、今からとにかく自分の都合の良いようにアイツの色んなところを全否定して今日も自分こそが正しいことを確認させてもらうぜ」って言われるとさすがにドン引きするけど、でもまあ大体「悪い人じゃない」以外の言われてる内容を要約するとこういう感じになるよね。