優香、俺が下の名前で気安く呼べる数少ない女

優香は俺が下の名前で気安く呼べる数少ない女である。
思えば俺は女の名前を下の名前で気安く呼んだ経験が殆どなく、従姉妹の名前すら時々躊躇するほどで、最近亡くなったがゾウのはな子だって「ゾウの」をつけないと正直ちゃんと呼べるか怪しいほどである。

会社の若手の飲み会やちょっとしたスポーツサークルなどには男のセンパイから可愛がられる後輩キャラの権化の様な八方美人のかわいがられオンナが必ずいるとしよう。

「おいおい、お前らまで…ッタク、無理するなよ」とこちらが心配したくなるようなどんなネクラBOYですらもそのオンナを「○○子!」などと下の名前で気安く呼び捨てに出来るような設定の甘~いシチュエーションにおいても・・・、俺は、この俺だけは「○○さん。」と苗字で呼んじゃったりなどして、そんなフレンドリーなムードをぶち壊すような妙に小学校のクラス染みたお堅い呼び名でもって場を白けさせてしまうのである。

その点優香はいい。俺は正直よく知らないがやさしいとかスタイルが良いとか肌がきれいとか、なんかきっと優香の良いところは色々あるのだろうけど、優香には苗字がないのが一番いい。
優香を「優香。」と呼ぶとき、俺は自由である。

先日、優香はついに結婚してしまったがこれからも苗字のない女でいて欲しい。