死んでいたミヤザキ君

小学生のとき、「俺、死産で生まれてきたらしいんだよ」って言っていた人がいた。死産とは、あの死産である。

今なら彼が死産を何と間違ったのかは大体予想が付くのだけど、そのとき俺も小学生。あの頃はそれが一体どういうことなのかよくわからなかったし、普通にそういうこともあるのだろうと思い「それは大変だったね」と言うしか無かった。

それともミヤザキ君はゾンビだったのだろうか。体毛が異様に濃かったミヤザキ君。足が速いのに全くモテなかったかわいそうなミヤザキ君。きっとあいつはゾンビだったに違いない。

死産で生まれてきた割には頑張ったミヤザキ君。最初「死」からスタートするというまさかのハンデにもめげず頑張ったミヤザキ君。高校へ進学したところまでのミヤザキ君までしか知らないが、彼が今も生きている事を願っている。