東横インの朝食バイキング、毎回スゲー並ぶ

ビジネスホテルの東横インによく泊まる人にはおなじみであろうが、どのホテルに泊まっても宿泊客に対して朝食バイキングの会場が小さすぎて毎朝ほぼどこの朝食会場でも朝イチには長蛇の列が出来ている。

この朝食を待つ長い列が耐えられない場合は東横インと決別するか、近所のコンビニで朝食を買うか、さもなくば朝食が開始される6:30より15分ほど前から朝食会場に行き、列の先頭を確保するムーブを取る必要がある。

朝食会場一番ノリになると一応特典がある。東横インのヘビーユーザーはご存じだろうが、朝食会場の準備が完了した6:30、やっとオープンやと前のめりになっている宿泊客を前に朝食係のおばちゃんたちが集合し、横一列に並んで行う朝のご挨拶がある。

「わたしたちが!心を込めて!作った朝食を!どうぞ召し上がりください!」

正確には覚えてないがこんな感じである。15分前から並んでいるからかもしれないがこのご挨拶、結構長い。体感で2,3分に感じられる長さである。そして特典とはこれです。

≪早く終われッ!≫

恐らくそんな事を思いながらジッとそれを見つめる宿泊客。死んだ目でスマホをイジるリーマン、一体何が起きたか分からず戸惑う外国人旅行者。長い列を作り腹を空かせたそれら大勢の宿泊客と向かい合って勇ましく叫ぶその様、まるで試合前にラグビーニュージーランド代表が行うアレに似ていることから俺はそれを「東横ハカ」と呼ぶことにした。

東横ハカが終ると東横イン朝食チームの気合も十分。いよいよゲートが空き朝食バイキングの開始である。和食洋食、カレーに麺類。外国人観光客が増えたことから種類も増えたように見え、また列や順路には以前より細かい説明やルールを記入する英語の説明書きの立て札が増えたようであった。ルールは単純で一列に並んで一方通行。追い越し禁止である。

先日東横インに泊まったときのことであるが、俺の後ろのおばあさんが「ねえあのパン先にとっていい?」「ねえヨーグルトを食べたいのでコッチから行っていい?」と俺の後方から東横朝食チームに投げかけるも、その都度「順番でお願いします」とたしなめられる始末。当たり前である。東横サンの決めたルール無視のそんなナマを言いやがって、お前はさっきの東横ハカの迫力を見ていなかったのか!と思った次第。

しかしそれでもまだまだ食い下がるその老婆、なぜそんなに生き急ぐのか…更に「コーヒー先にとっていい?」と質問するも再び却下されると遂にこう叫ぶ。

「ちょっとサァ、ルールが多すぎるわ!」

ルールを破る人の考え方を垣間見た気がしたが、ルールは一つである。とりあえずその場にいた宿泊客の間には、あの老婆は今日の朝食は洋食でキメようとしたんだなということだけがインプットされたのであった。