闘争積立金/ハゲのオッサン

目が死んでいるからということで目の殉職、二階級特進でこの春から管理職になりそれに伴い労働組合を抜けることとなり、先日労働組合の人から「『闘争積立金』をお返しします」と連絡が来た。

金額にして数万円、なかなかの臨時収入だが名目が「闘争積立金」ときたもんだ。ワシのゼニで闘争しとったんかいなと、テロリストの資金源としてお金を渡していた気分であるが、個人的には自分一人で見えない敵と闘っていたためか団体交渉権も行使せず、友達もいないので団結権にも近寄らず、とにかく組合活動に全く参加しなかったのでそんな物騒な積み立てがされていたとは全く知らなかった。今はただ脱退後の闘争の矛先が今度はこちらに向かってくるのではないかと身震いをしつつ、臨時収入の使い道を焼肉かシャブシャブのどちらにするかと考え現実から逃避する次第である。

管理職。遠い異国の地で名ばかり管理職をしているため部下もおらず組織の管理どころか体調管理もままならずダルマのような体格となってしまった、早く成功してこのダルマさんの死んだ白目の中に万歳万歳と墨で目を書かせてほしいと思っていた春、ついに僕にも部下が出来た。アメリカ人の部下である。

「キミの後任は日本からはこないようだから、彼を育てて後任にしないとキミは日本には帰れない」

戦争に負けてからウン十年、それはまさに闘争、24時間365日積み立て続けた諸先輩方の努力のおかげで私は米国生まれの部下を持つことが出来ました。祖国への帰還を夢見てきた私の4年など諸先輩方の歩んできた道に比ぶれば短いモノでしょうが、なんせ、しかしこの彼が全くメールに返事をせず困っています。赤ちゃんのような可愛い顔をしたハゲのオッサンです。

おいお前、メールを返して、そして俺を日本に返して頂戴。

To Be Continued...