検尿の時だけなぜか尿の発色がすさまじい

汚い話なので俺のこと全てを愛する人以外は読む必要はないのだが、昔から検尿の時だけションベンの色がやけに発色のよいデカビタCのような鮮やかなイエローでいつも困惑している。「おまえどうしたよ…」と河原でちょっとしたBBQをするというその集合場所に一人だけ雪山登山フル装備級のアウトドアウェアで現れた友人に語り掛けるようにその時はそうつぶやいたほどであるが、実際には俺は河原でBBQをしたこともなくそのような形で待ち合わせ集合する友人もイベント経験もないためあいにくこれは完全に虚言だったとしても、ともかく今言える事実として俺の検尿時のションベンは頼まれてもいないのに通常の2倍は発色のよいイエローであるということである。

検尿容器に入れたから発色よく見えるだとか朝イチだからとかそういう理由もあるのかもしれないが、それは普段のションベンを見る俺にしてみればそういうものでは説明できない明らかに黄色すぎるションベン。昔なら教卓におもむろに置かれた検尿回収箱、今であれば病院の検尿回収係の人に、ぐるぐる巻きのビニール袋の中からそんなまぶしいばかりの尿を取り出し提出するその一瞬、その一瞬だけでも人の目に触れるのが恥ずかしくてたまらない。ではどんなションベンならいいのかと言われるとそんな理想のションベンなどないのだがとにかく大人しくしていてほしい、普通にし、人と同じようにいて欲しいというのが出し主としての願いである。出る尿は打たれるからである。

しかしションベンの気持ちになってみるとどうだろう。検尿は年に一回の外出のようなものかもしれない。「外出」とは自宅トレイかそれ以外かという意味ではなく、便所かそれ以外という意味になるのだが、つまり検尿は己を検査、品評する年に一回の晴れの舞台なのかもしれないということである。そう考えるとションベンがその日だけは輝こうと張り切るのも無理はなく、アニキなんでしたらちょっと糖の一つでも足しときましょうかなどせんでいいことも考えているかもしれないし、あの発色は余所行きの一張羅と捉えると迷惑に感じるのも少しかわいそうな話なのかもしれない。

皆さんはどうだろうか。俺みたいに働きすぎて尿というか頭のほうがおかしくなっていませんでしょうか。