「夕焼けを朝焼けと間違ってゴミを出して怒られる」

「夕焼けを朝焼けと間違ってゴミを出して怒られる」

学生時代に独り暮らしをしたダメ学生の皆様なら一度は味わったことがあるのではなかろうか。寝すぎたことへのパニック、またすぐさま挽回しようと前向きな事をしようと焦って普段ならしないゴミ出しをよりによってやってみるが残念、それは夕焼け。

泣くのが仕事と言われるのが赤ちゃんなら学生の仕事は寝る事である。寝ぐせは学生証、寝すぎは学生文化、寝すぎた自慢は学生の中で盛んに行われる一種の挨拶のようなものである。そしてほとんど皆が、一度は寝すぎた翌日に夕焼けを朝焼けと間違ってゴミを出して怒られている。

俺の聞いた中での最長は31時間である。二度寝、三度寝と繰り返したとはいえトータル31時間寝たというこの人間、起きた瞬間は午前午後の区別がつかなかったのは当然のこと、寝る前の事や自分がなぜここに居て何のために今起きたのか、何のために大学に入ったかといった基礎的なあらゆることが分からなかったと言っていて、とりあえずそんな彼もやはり起きて10分後には夕焼けと朝焼けを間違ってゴミを出して怒られている。なぜこの人について詳しいかというと俺の事だからです。

夕焼けと朝焼けを間違ってゴミを出して怒られたことのある人ならきっとわかってもらえるかと思うが夕焼けと朝焼けは実はとっても似ている。突然朝と夕の空の写真を目の前に差し出されたとき、注意深く観察しないと素人にははっきり言ってその違いにほとんど気づけません。そんな中、寝起きに外を見て「朝かな!」とフラフラしながら外に出てしまうと、「やはり朝だ!」と確信に変わり、しかし正解は夕方で、結果、夕方に間違ってゴミを出し怒られることになります。

経験のない方からすると驚かれるかもしれないが例えば6:00AMと6:00PM、これがまたあらゆる面でとっても似ている。いやいや、街に出れば外を歩く人の数や雰囲気といったもので朝か夕方ぐらい気づくでしょうとお思いだろうがそれは寝すぎを経験したことのない深みのない方のご意見である。これはあちこちで報告されていることではあるがまず朝と夕方の空というのは実に色味が似ておりまずこれが大変に厄介。色見本でもなければ即座には全く気づけないのである。そして家の前を歩く人の数も意外と朝と夕方は大差がなく見え「朝の空気感…」などもはやそんな趣きを31時間も寝るバカが感じられるはずもなく、その場合は順当に夕焼けを朝焼けと間違ってゴミを出し怒られることになります。

元々住宅地のゴミ置き場程度だと情報が少ないこともあるが、何より「今は紛れもない早朝である!」という思い込み、もしくは「早朝であってほしい!」と強く願う気持ちが本来はバシバシ入ってきているはずのラッキー夕方ヒントを遮断するのも一因。テレビをつければ正解が出ようものなのになぜかそれをしない。なぜか。今起きたのにもう夕方であってほしくないと思う気持ちがそれをさせないからである。とにかく俺たちはゴミを出したいのである。

でも私はね逆に皆さんに聞きたいですが、通勤中のサラリーマンと帰宅中のサラリーマンの違い、すぐ言えますか?と。どちらも疲れているよ!通学中の小学生と帰宅中の小学生、どちらもノリが同じ!あと、カラス。朝のカラスと夕方のカラス、これがまたもう見た目も鳴き声も全く同じ!とはいえ、そのような浅い情報から夕か朝かを判断しようとするから我々は必ずしっぺ返し、つまり夕焼けを朝焼けと間違ってゴミを出し怒られることになります。

つまりこれは仮に起きた時間が7:00PMでも、8:00PMでも10:00PMでも、外が暗かろうがテレビで夕方の番組が放送されていようが、そうあってほしいという強い気持ちさえあれば何人も常に「夕焼けと朝焼けを間違ってゴミを出して怒られる」現象が起きうるという事である。

というわけで今回の話、対策としてはとにかく沢山寝ない!という事になります。参考になれば幸いです。